盗作なのか、共作なのか、
正式名称(?)はよく分かりませんが、
ここまで世界的に有名で、ここまで美しく、
ここまで人々に愛されてるならなんでも良いのではないか、
と思われるのがこの作品。
シューベルトやカッチーニと並んで、
「世界三大アヴェ・マリア」と称されるものの一つ、
『グノーのアヴェマリア』です。
『グノーの〜』と呼ばれることが多いようですが、
前奏から後奏までピアノの伴奏部分が、
ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲の
「平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番ハ長調プレリュード」
のオリジナルをそのまんま使っています。
正確にはバッハのプレリュードに1小節足しているのですが、
メロディーはともかく、『グノーの〜』と呼んじゃって良いのだろうか・・・
と思ったら、これ元々はグノーの即興演奏だったんだそうですね。
その即興を聞いていた、ピエール=ジョセフ=ギヨーム・ツィメルマン
という人が、ヴァイオリン(またはチェロ)とピアノ、
そしてハーモニウムという編成で
「バッハの平均律による瞑想曲」として
アレンジして楽譜を売り出すと、これが大ヒットしました。
そこでさらなるアレンジを加えて、今度は
ラテン語のアヴェマリアの歌詞を付けた歌曲を
『グノーのアヴェマリア』として発表したのだとか。
ちなみにこのラテン語の歌詞は、新約聖書で
天使ガブリエルがマリアにイエスの受胎を告げる
「受胎告知」のセリフなのだそうです。
祝福のセリフなんて聞くだけでこちらにも恩恵がありそうな気が
・・・しませんか?(笑)
今回はピアノ連弾版に編曲されていますので、
伴奏部分がバッハそのままではありませんが、
美しい編曲になっています。
「アヴェ・マリアの祈り」
Ave Maria, gratia plena,
Dominus tecum,
benedicta tu in mulieribus,
et benedictus fructus ventris tui Jesus.
Sancta Maria mater Dei,
ora pro nobis peccatoribus,
nunc, et in hora mortis nostrae.
Amen.
アヴェ、マリア、恵みに満ちた方、
主はあなたとともにおられます。
あなたは女のうちで祝福され、
ご胎内の御子イエスも祝福されています。
神の母聖マリア、
わたしたち罪びとのために、
今も、死を迎える時も、お祈りください。
アーメン。