朝〜「ペールギュント組曲」より
【Youtube 100本ノック No.60】
グリーグ作曲のペールギュント
学校の鑑賞教材にもなっていたから
知ってるはずだったけど、
この【朝】のシチュエーションが、実は結構
とんでもなかったんですよねぇ・・・。
主人公は、女にはなぜかモテるけど、
働きもせず喧嘩ばかり。
大ぼら吹きの放蕩ドラ息子、20歳。
その名をペール・ギュント、と申します。
元カノの結婚式に呼ばれもしないのに出かけていって、
参列していた一人の清楚な少女ソルヴェイグに一目ぼれ。
恋に落ちたはずなのに、なぜかその場からは
花嫁の元カノをお持ち帰り。
(こら!)
大騒ぎの村中から追われる羽目に。
(あたりまえ)
殺気立つ村人から逃げ惑う中、
なぜか魔王の国の王女に出会って、即プロポーズ。
(え?即?)
娘と結婚するならば、と義父になる予定の魔王から
無理難題を吹っ掛けられ、あと一歩で殺される!
というところで教会の鐘が鳴り、その途端に魔王も魔王国も消滅。
(おとぎ話や・・・)
ホッと一息。
しかし未だ村から追われる身ゆえ、
みすぼらしい掘立小屋を建てて雨露をしのいでいたら、
そこへ元カノの結婚式で見染めた少女ソルヴェイグが
自らの意思で彼のもとを訪れ、喜びに溢れかえることに。
(だから、なんでモテるのこういう男がっ?!)
しかしそこへ魔王の娘が子連れで現れ、
お前の子を産んだ、もしソルヴェイグと結婚する気なら
魔法で邪魔してやる!と宣告。
(あるある修羅場だね)
流石に本気で惚れた女のためならば、
彼女を守るため、
そして彼女にふさわしい男になるため、と称して
ソルヴェイグを掘立小屋に残して旅に出ます。
(置いてくんだ・・・うわ〜・・・)
その後色々ありまして、いつのまにやら中年になったペール。
(もう?自分探しに何年かけてるんだ・・・)
怪しげな商売で大金を儲け、全財産を積んだ船で客人をもてなしますが、
朝起きるてみるとその客人に全財産を持ち逃げされ、
本人が目を覚ましたのは、まさかの砂漠。
そんな最低な朝・・・・
の描写がこちらの【朝】の曲なんですって。
なんちゅう展開や・・・
っていうか。
朝もやが段々晴れて、切れ目から朝日がきらめくような
そんな景色が目に浮かびそうな爽やかな曲が
まさかそんな、砂漠のシーンの曲だったとは・・・
結構ショックでした。。。笑
ちなみに主人公ペール君。
その後も一儲けしては一文無しに、を繰り返し、
大預言者になったり、精神病院で皇帝になったり、
波乱万丈の旅をつづけた挙句、
白髪の老人になってやっと自分の人生を振り返り、
疲れ果て辿り着いた故郷で、
自分をひたすら待ち続けてくれた恋人、
ソルヴェイグのもとに帰り着き、
その腕の中で息絶える・・・
ただの、ダメンズ、じゃん!
そんなこんなで、
新たな境地で聴いていただけるのではないでしょうか。
ペールギュントの【朝】です。