
スペインが誇るバリトン・スター、カルロス・アルバレスの
「ドン・ジョバンニ」。
彼はプロフィールの写真を見ただけで、
歌舞伎の隈どりが似合ってしまいそうな、
その、見るからにデモーニッシュ(悪魔的)な容姿からして、
すでにモーツァルトが作った喜劇的なドン・ジョバンニ役を
期待させてくれます。(どういう意味だ?)
金屏風が立ち並ぶゴージャスな舞台に、
ワインレッドのジャケットを着て従者レポレッロと話しながら、
颯爽と御登場。。
・・・と思ったんだけど、
「颯爽」と「御登場」というには、
上背無いし、メタボ腹だし、足短いし。結構おっさん。
えー、あんまりカッコよ〜く〜な〜い〜

ピストル持って、シチリア島あたりでマフィアをしている方が
似合うかも・・・。
「ドン・ファン」を名乗るには
えー、セクシーさが足〜り〜な〜い〜

「シャンパンの歌」を直立不動で歌うし、
ドンナ・エルヴィラの侍女を口説く「セレナード」も、
いやらし〜・・・くないなんてっ

でも。
いい声

深々と、朗々と、豊かな声が会場に響き渡っていました。
惚れ惚れします。ほんとに。
もうあと10歳ほどお若くて、
もうあと10cmほど靴を上げ底にしてくれていたら、
惚れていた、かもしれないのに(仮定法過去)

アルバレスに限らず、基本的にチューリッヒのオペラって
色気

今日だって、話の展開の割に、
出演者に(ツェルリーナ)下着姿を晒させたりしてる割に、
やっぱり全体に色気が足りない

そういう意味で、ちょっと物足りなかったけど今日の舞台、
ウイーン生まれの指揮者、グシュルバウアーが大変素晴らしく、
キレがあって生き生きした音楽に仕立て上げていましたし、
脇役陣も大活躍で、とにかく楽しい舞台でした


モーツァルトの喜劇って、本当〜〜に楽しいですよね

