2009年10月20日

日蔭者のチャンス

ロッシーニのオペラというと、喜劇ばかりが頭に浮かんでしまいます。
チェネレントラ」とか「セヴィリアの理髪師」とか
アルジェのイタリア女」とか。

だいたいが人気の絶頂、働き盛りの37歳
料理に没頭(「作る」だけじゃなく、しっかり「食べる」のも専門)]
するため年金生活に入り、
その後は食道楽の道をまっしぐら。
道楽が過ぎて(食べすぎか?栄養の取りすぎか?)

「(男性には無い)子宮以外の病気は全てやった手(チョキ)

という位、人生を謳歌していたぴかぴか(新しい)らしい男が
真面目な曲を書くとは信じられないじゃないですか。爆弾

でも、結構書いてるんですね。シリアスな曲。
宗教曲まで書いちゃっているんですから驚きです。(失敬!)
悲劇のオペラも結構書いてました。

今年チューリッヒ歌劇場は、何を血迷ったか、その中でも
思い切ってマイナーな、聖書の「出エジプト記」を題材にした
「エジプトのモーゼ」を上演しています。

ロッシーニはこのイタリア語版「エジプトのモーゼを、
後にフランス語版「モーゼとファラオ」に改定しており、
ヤヤコシイ事この上ないのですが、
今回のは最初のイタリア語版の方です。
改定後のフランス語版よりさらに上演回数の少ない、
いわば日蔭者に日が当った晴れといったところでしょうか。わーい(嬉しい顔)

主演のアーウィン・シュロットは「フランス語版の方の」ファラオ役を
歌ったことがあるらしいです。
ほんっとに、ヤヤコシイ。ふらふら

余談ですが、10月14日の記事で、映画「十戒」の最後で、
エジプト人に追われたヘブライ人の行く手をふさぐ紅海が、
モーゼが神に祈ると二つに別れて乾いた道が現れる・・・。
というシーンを覚えていると申し上げましたが、あの「紅海」。
どうやら、単なる誤解らしいですね。

本来は「葦の海」と書かれていたはずが、
ギリシア語に翻訳されるときに誤って「紅海」とされてしまい、
以後、これが広まっただけ、らしいです。

海の中に乾いた道が現れたということは、
「干潮」と「満潮」を利用したんだろうか・・・?
とか色々考えていたんですが、考えすぎだったんですかね。ひらめき

さて。この日蔭者。
とんでもなく簡単にあらすじをお話ししますと、

第1幕:
エジプト王ファラオが奴隷となっているヘブライ人を解放する
という約束を破ったため、神は国を闇で覆う。
エジプトの民に暗闇の恐怖を終わらせるよう懇願されたファラオは
ヘブライ人の指導者モーゼを呼び、
光を取り戻してくれたらヘブライ人を解放する、と約束する。
ファラオを信じたモーゼは神に祈り、光を取り戻してもらう。
ファラオの息子オジリデは、モーゼの姪(ヘブライ人)エルチャと
愛し合っており、彼女との別れに耐えられず、
ファラオを説得して、ヘブライ人の解放を取り消させる。
怒ったモーゼが神に祈り、杖を振ると、激しい炎と大洪水が起きる。

第2幕:
神の怒りの炎と洪水で国は壊滅状態。
ファラオは再びモーゼ達にエジプトを出国するよう命じる。
しかしヘブライ人達が敵国に味方するのではないか、との恐れから、
再びエジプトからの出国を禁じた(もう3回目たらーっ(汗))ファラオに、モーゼは怒り、
王子とこの国の全ての第一子が、稲妻に打たれるであろう、と警告する。
ファラオはモーゼを反逆者として鎖につなぐ。
ファラオは王子オジリデと王座を共有する、と宣言し、
モーゼの死刑を命じさせる。
驚いたエルチャの必死の懇願にも関わらず、オジリデが頑なに
モーゼの死刑を命じると、雷が落ち、オジリデは死んでしまう。

第3幕:
モーゼを先頭にエジプト勢から逃げるヘブライ人たちの前を紅海がふさぐ。
モーゼが神に祈りを捧げると、海は二つに分かれ、乾いた道が現れ、
ヘブライ人達は無事、対岸に着く。
オジリデの報復を誓うファラオとエジプト人がその後を追おうとするが、
海は再び元に戻り、波に飲み込まれる。


・・・文字で読んでいるだけだと、なんだかよく分からない話です。たらーっ(汗)
このファラオ、何でこう簡単にコロコロ意見を変えるんでしょうか?

ロッシーニがこのナゾな日蔭者にどんな音楽をつけているのか、
確かめに、ワタクシ、これから、
再びオペラハウスに出没してみようと思っております。


今日もお付き合いありがとうございます。
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posted by Duo A&K at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ロッシーニ・オペラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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