一昨日の記事でも書きましたけど、本当に、
主役はいったい誰なのよ?
と思うぐらい、脇役が大活躍でした。
テノールがこんなにいっぱい出てくるオペラって
珍しいと思うんですが。
モーゼのお兄さん、アロン、それからエジプトの司祭マンブレ、
そしてエジプト王子オジリデ。
特にこのオジリデ君が、3幕で死亡するまで、
大車輪の大活躍でした。
歌ったのはメキシコ人テノール、カマレーナ。
先日のドン・パスクアーレで、
エルネスト役交代要員として登場していました。
いかにもテノール〜という、軽やかで華やかな美声で、
ロッシーニとかモーツァルトとかが、とてもよくお似合いです。
ただし、容姿が、ちと、いただけない。
サルバトーレ・リチートラ氏以上の漫画チックな
チンチクリンのコロンコロン。
ラブシーンがラブシーンに見えないんですよね〜・・・。
恋人と抱き合ってても、なんとなく、
生き別れになるまいと、姉ちゃんにひしっとすがりつく弟・・・?
に見えちゃって、せっかくの美声がもったいないよー・・・。
もっとも、カルメンの盗賊仲間、レメンダードのようにコミカルな役だと
かなり笑わせて下さいましたが。
チューリッヒ歌劇場属歌手の一人ですから、
今後も何度もお目にかかると思われますが、
楽しみな一人です。
それからエジプト王ファラオ役のペルトゥージ
(と読むと思うんだけど)。
カルメンのエスカミーリョを歌っていました。
そのもっさり体型が、エスカミーリョの時は
猛牛に突っつかれないのか?と
気になって仕方無かったのですが、
今回は「王様の貫録」に昇華しておられました
シュロットに負けてないいい声で、かっこよかった
彼はカーテンコールの時、客席にお辞儀した後、
一緒に歌った女性歌手「全員」の「両手」を「握って」、
キスします。
だから彼のお辞儀にはやたらと時間がかかります
今回はエヴァ・メイの手にキスした揚句、さらに抱きしめてました。
でたーっイタリア人
そして、エヴァ・メイ。
本当に素晴らしい歌手としても役者としても。
彼女はヘブライ人指導者モーゼの姪で、ヘブライ人と対立している
(前述の)エジプト王子オジリデの恋人役でした。
いわば古代のロミオとジュリエット。
その悲劇を感情的に完ぺきに「演じ」ながら、
ロッシーニの書いた超、超絶技巧の全ての音を、
一つたりともおろそかにせず、
全部聞き取れるほどクリアーに歌いきる。
お見事です
おかげで王子オジリドが死んだ時、涙が出てきそうになりました。
不覚にも。
(だって王子様、死に方もやっぱり漫画チックなんだもん)
そのくせ、カーテンコールで鳴りやまない拍手に合わせて
舞台の上で、つい、踊りだしてしまう・・・
好きです、そのノリの良さ
ただ、これは彼女のせいでは全然ありませんが、
今回の変な演出のせいで着けている、
パーマがいっぱいかかったカツラ。
現代風のカーディガンを着て、スカートをはいて、
バッグを袈裟がけにしていると、
サ〜ザエ〜さん、サザエさん〜
もうちょっと、衣裳の選択肢、なかったんですかねー・・・。
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