用事があって、なかなか続きが書けない間に
観てから一週間以上も経ってしまうと、時間が開き過ぎて
何を書こうとしていたんだか記憶が薄れてくる、
脳みその新陳代謝がよ過ぎる私・・・。

覚えている唯一最大のことは
我が


素晴らしかった

という記憶

私、ワーグナーのヒーローというと、歴史や神話の
登場人物とか、
英雄とか、貴族とか・・・
大体において、あまり人間らしくないものだ、
イタリアのヴェリズモ・オペラ(市井の人々の日常生活の描写を
多用した歌劇)の反対極だ、と思い込んでいました。
だから音楽は素晴らしいけど、親近感が無く、
重すぎて共感しにくいと・・・。
でも

ヨーナス・カウフマンが歌うと全然違うんですよね。

愛し、悩み、裏切られ、傷つき・・・
そういう人としての感情、葛藤が、
紳士ぶった英雄的にではなく、
あくまで等身大に人間くさく、伝わってくるのです。
ワーグナーがこれでいいのか?と言われると
私はワグネリアンではないので、よく分かりませんが、
ワーグナーの英雄像に新たな一面を発見

新鮮な驚きでした

それにこれだけ音楽的に説得力があれば、
なんだっていいではありませんかっ

と思わせる、あの表現力

エルザに裏切られた

痛いほど伝わってきました・・・

それに最終幕で自分の名前と身分を明かす場面での
あの、pp(ピアニッシモ)・・・・

あれは誰にも真似できない、彼だけのワザなんです

本当にシビレます

リート(歌曲)を歌っても、ヴェリズモ・オペラを歌っても、
ワーグナーを歌っても、
音楽の規模の大きさにかかわらず、音楽の繊細さを失わず、
彼独特の色で客席を染め上げていく・・・
いつもカウフマンを聴くたびに思うのです。
あの魅力(魔力?)は一体何なんでしょうか・・・。
舞台終了後、すっかり興奮した観客によるカーテンコールが
10分以上も続きました。

私はさすがに10分ぐらいで拍手の嵐から抜けてきたので
分かりませんが、もしかしたら、もっと長く、
みなさんパチパチし続けていたのかもしれません

もっとも私も興奮の余り晩御飯を食べるのを
すっかり忘れていました。。
ホテルに帰って来てから
しまった、お腹がすいていた・・・
ということに気づき、むなしく売れ残りのサンドイッチを
食べたのですが、素晴らしい音楽を聴けたことが嬉しすぎて、
美味しかったかどうかさえ覚えていません。

とにかく、幸せ



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