
横揺れは指揮者のせいだけではありませんでした。

まず主人公海賊のボス、コルラード役の
ヴィットーリオ・グリゴーロ君。
とってもとっても、いい声です。

声量があって且つ太すぎず、理想的なテノールの声、
といっていいと思います。
乱暴ではなく情熱的で、若々しく、ほんとに熱演してました。
(もっとも「若い」というより、「青臭い」という印象で
その歌い方、何歳まで通用するのかな〜と(現在32歳)
余計なことを思ってしまいましたが・・・

じゃあ、何が問題かって言うと、
歌い方、なんですよね。

歌い始めをぶつけない、のはいいんだけど、
急発進する車のように、いきなり強くした後、
またいきなり弱くしたりするから、
聴いていると、


と響く(文字で書くの、難しいな・・・

フレーズが滑らかに聴こえなくて、本当に
アクセルとブレーキを交互に、しかも急に踏まれているような
感じがするわけです。
ちなみにオペラハウスから帰るトラム(路面電車)の中で
隣の席に座った男性二人の会話が聞こえてしまったのですが、
この二人もオペラを聴いていたらしく、
「今日のテノール、


変だったよな。」
と私と同じ感想を言っていたので、思わず隣席で
噴き出してしまいました。。

おまけに歌うとき身体をくねらせ過ぎるんです。
ドン・カルロみたいな情けない役とかならいいけど、
あなた、その歌い方、海賊のくせに、
ちょっと女々しいですよ・・・。

そして、彼の恋人(奥さんかも?よく分からない

メドーラ役だったのはエレーナ・モシュク。
私は彼女、大好き

急ブレーキ急アクセル系の歌い方をするんですよね。
もともと声が細いし、
彼女がそういう歌い方をするのは大半がppの時、とか
女性の揺れ動く気持ち

に限られているので、それほど気にならないのですが、
この方の相手役には、
ガシッ、ドシッ、

とした、いかにも男性的、な野太い歌い方をする方を
持ってきてほしいと思います。
グリゴーロ君のような揺れ揺れ系と一緒に歌うと、
二人の歌い方は妙にシンクロしてるんだけど、
聴いてる方が酔っぱらった気分


今回の演出は、海をイメージしたのでしょうか、
舞台全面に水が張ってあって、
歌手たちは水面を流れるベットに乗って登場したり、
ビショヌレになりながら水中を歩いたり、と、
斬新、かつとてもシンプルで美しい舞台でした。

ただ、舞台背後の全面に斜めに鏡が張ってあるので、
舞台上の水の揺れが鏡に映って拡大し、
ずっと揺れて

歌手たちはそれぞれ大熱演しているのですが、
先日の記事にも書きましたが、
オーケストラの支えが不安定で、
舞台にも水が張ってあって揺れて見える、
しかも歌手の乗っているベットがグルグル回り続けたりする、
さらに主役の歌い方が揺れ揺れ、
どこもかしこもミラーボールのように揺れっぱなし

乗り物酔いになった気がして
ちょっと気持ち悪くなってしまいました・・・

(続く)

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