登場したのは・・・ピエロ??と見まごうアルマヴィーヴァ伯爵。
どこぞで見染めたロジーナ嬢を口説くため、
彼女の住む、というかほとんど監禁状態に置かれている、
ドクター・バルトロの家まで追いかけてきた、という設定。
ということは伯爵的に、精一杯オシャレ

の、ハズ・・・?

ビニール生地のド緑・・・
そう、薬局の前によくいるカエル、ケロチャンそっくりの、
あの緑色のズボンとフリフリレースシャツに、
スパンコール満載のド紫ジャケット(襟の折り返し部分はショッキングピンク

なんや、その格好は・・・?

その格好でドクター・バルトロの家の窓辺でロジーナを口説きます。
(それに魅かれちゃうロジーナの趣味って一体・・・

歌っていたのはマリオ・ツェフィーリ。
いかにもロッシーニが似合いそうな軽やかな声ですが、
1幕目は、かなり音程を外しておられ、ちょっと苦しそうでした。

後半頑張ってましたけどね。
でもやっぱりこのアルマヴィーヴァ伯爵という役、本音を言えば
ファン・ディエゴ・フローレスあたりで聴いてみたかったですねえ。。


そしてそこへグレースーツ姿のフィガロがスーツケースを持って登場。
歌ったのはマッシモ・カヴァレッティ。
この彼が良かった


カヴァレッティはまだ若いイタリア人で、チューリッヒオペラハウスには
昨シーズンの「シモン・ボッカネグラ」のパオロ役でデビューしてます。
この「シモン〜」の時、声を聞いた瞬間から
「これは誰だ

と大注目したのですが、いい声



艶があって何とも豊かなバリトンで、お芝居もなかなか。

(もっともこのフィガロのような役には、もう一息、
漫才師のごとき笑いの呼吸が欲しいかもしれません。
いずれライモンディとかレオ・ヌッチとか、諸先輩の喜劇役者ぶりを
盗んでほしいものですね

すでに東京も含め、スカラ座とかMETとか、
大舞台でデビュー

これからもあっちこちのオペラハウスでひっぱりだこ間違いないでしょう

それでですね。
このフィガロが持ってきたスーツケース、これが曲者

登場してすぐ歌う、ノー天気なアリア。

はさみ、くし、かみそりを自在に扱うように、
どんな問題だって解決する。あっちこっちからお呼びがかかって
ああ、おれの人生ってば、素晴らしい」

この歌の最中にトランクの蓋をあけると・・・
メアリーポピンズのかばんのように、中からいろんなものが
出てくる、出てくる・・・。

はさみに、くしに、色とりどりのカツラに、盆栽(?)に、
そして最後にキリンの長~~~い首がにゅにゅ〜〜〜〜〜・・・・
客席は大爆笑になりました


何の意味があったのかはよく分からないけど、かなり受けました

さて。
フィガロを味方につけたアルマヴィーヴァ伯爵が口説くお相手、
ロジーナを歌っていたのはセレーナ・マルフィ。
2006年にデビューしたばかりという超若手だそうです。
彼女も良かったんです


今回のロジーナは深層の令嬢・・・なんかでは全然なくて、
かなり現代的な女性で、自分が何をしたいのかもよくわかってる、という設定。
有体に言えば、
男性を意のままに動かすために、
自分がスカートをどれだけ持ちあげて見せたらいいかを心得ている、

といったところでしょうか・・・。

このマルフィ嬢は、お芝居も歌も声も堂々たるもので、
とてもデビューしたてには見えませんでした。
お見事でした

才能のある人って、どんどん出てくるものなんですねえ。
(続く)
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