
レオ・ヌッチ称賛譚


もう一度申し上げます。
先日観てきたのはヴェルディ作曲「ルイザ・ミラー」でございます。。
主役、ルイザを歌っていたのは、
これまた現代最高のソプラノ

バルバラ・フリットーリ。
現代最高、とか、大スター、とか
褒め言葉ばかりが先行して、実際聴いてみるとガックリ・・・
というパターンの歌手、
残念ながら結構多いもので、この方の新聞雑誌評も、
ホントカヨ・・・
とつい、斜に構えて見てしまっていたのですが、
この方は本物



なんと艶やか




なお声なのでしょうか。

この「ルイザ・ミラー」というオペラ。
フリードリッヒ・シラーの原作「たくらみと恋」を、
恋愛話を基調とするイタリアオペラの台本にしてみたら
ちょっと安っぽい単なるメロドラマ


という感じで、話の展開にシマリが無く、イマイチ冴えません。

ヴェルデイ・オペラの中でも人気が高い、とは言えないでしょう。

それでも
最後の幕の、自殺の決意を父親に語るところ、

父親(ヌッチ)の涙ながらの説得に(これがまた素晴らしい

考えを改めるところ、

(まるで「私、お父様のために生きます!」と言っているよう。。

そりゃそうでしょう、このヌッチ父ちゃんなら・・・


結局恋人ロドルフォに飲まされた毒薬で死んでしまう場面、

フリットーリの名演

久々に泣いてしまいました・・・。

柔らかいのに、力強い。知的なのに、大胆。
ベル・カントっていうのは、こういうことだったのか〜

としみじみ思いました。
これぞ、本当のリリコ・スピント(*)


ロシアみたいな北の果て

スター呼ばわりしなくたって
オペラの本家本元イタリア

こんなに



もう十分人気スターだけど、
もっと爆発的な大スターになったって、いいのにな。。

(別にネトレプコに含むところがあるわけじゃないですよ。


このフリットーリ。
2010年の7月にトリノ王立歌劇場の来日公演で
ボエームのミミを歌う予定みたいですね。
http://www.japanarts.co.jp/html/2010/opera/torino/index.htm
インタビュー記事のどこかで
「私の声にプッチーニは難し過ぎるから、ミミを歌うのは
この日本公演限りと思って下さい」(うろ覚えで、すみません

というようなことをおっしゃってましたが
ついこの間、チューリッヒで歌っておられたんですけどね。


あれ〜?

ま、それはともかく。

年齢的にも円熟期と言える(と思う)フリットーリ。
今後もますます輝き

楽しみです

(続く)
*リリコ・スピント : イタリア式の声の分類。
「レッジェーロ」 もっとも軽く、華やかな高い声。いわゆるコロラトゥーラ。
「リリコ」 超高音域は適さないが、落ちついた表情豊かで
抒情的な声。
「リリコ・スピント」 リリコより強靭な声で、ヴェルディの後期から
プッチーニやヴェリスモのオペラに多く見られる。
「ドラマティコ」 強く輝かしい高音と中・低音域の深く豊かな響きの声。
(と言うことですが、正直私も良く分かりません。


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こんにちは!
フリットリ&ヌッチ 共に大好きな歌手です。
お二人とも過去に生で鑑賞していますが
週間サンデー毎日になってしまった今は
生フリットリ、生ヌッチ様は卒業です。(笑)
いつも楽しく拝見しています。
これからもよろしく!
ポチッとして応援して帰ります。♪
生ヌッチはともかく(笑)、
フリットーリは来日、結構多い方じゃありませんか?
7月のトリノ公演も、まだチケットあるみたいですよ〜。
いつも応援ありがとうございます!
こちらからもうかがいますね。