パパ・ミラーの他に、もう一人のお父さんが登場します。
すなわち、ロドルフォの父親、ワルター伯爵です。
言うことを聞かない


毒をあおって心中されてしまう

一見、ちょっとかわいそう

でも実は。
このオペラでは前段として割愛されていますが、このお父さん、
実は自分が「伯爵」になるために、「前伯爵」だった
従弟だかお兄さんだかを殺害

という悪〜い奴

この↑前段を予習していかなかったため観ているときは、
このお父さんも可哀そうに・・・

と思ってたんですが
息子に先立たれるのも、悪いことをした罰

全然可哀そうではありませんでした。


歌っていたのはチューリッヒ歌劇場ではお馴染みの
ラスロ・ポルガー教授。
チューリッヒ音大でも教えていらっしゃるのですが
自宅でばかり教えていて、学校にはほとんど現れない、という噂です。

そんなわけで、学校よりオペラハウスの客席で
お見かけすることの方が多いようです。

お名前とお顔は存じ上げていましたが、私、実は
実際の舞台でポルガー先生を聴くのは初めてでした。
典雅な声



背も高くて



多分共演者がヌッチやフリットーリでなければ
お客さんもワタクシも、もっとキャーキャー

が、上記の二人が凄過ぎたもので、つい、
拍手も、やや、まばら、レビューも後回しになってしまいました。

さて。
お次はこのオペラの中の最大の悪役、ヴルム。
本当は「前伯爵」に仕えていたのに、裏切って現ワルター伯爵の
「領主殺害事件」に加担した


という設定だったらしいですねえ。
歌ったのはルーベン・ドローレ君。
このブログにもよく登場している(2009年9月、12月)
オペラハウス一押し


彼を聴くのは4回目ですが、
まだ若いからでしょうか、成長



パパゲーノの時よりも、レポレッロの時よりも、グリエルモの時よりも
階段を一段ぬかし、どころか、5段跳びぐらいに成長していて
見違えるほどでした

実に頼もしい


声も良く伸びて



あのヌッチやフリットーリと並んでも遜色がない

すごい



このヴルムという役、悪役としては出来損ないもいいとこ(?)で
悪い奴、というより、単なるイヤなヤツ

イヤーゴほどの凄みもなく、

パパ・ジェルモンほどの重みもない。

単にルイザに横恋慕した色情狂じゃん・・・



ここらの台本設定の詰め(詰め?)の甘さが、
この「ルイザ・ミラー」というオペラの人気を、
今一つ押し上げない要因なのかもしれません。


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