トーマス・ハンプソン氏の歌曲リサイタルです。
プログラムを購入しなかったので、正確な曲目は失念しましたが、
並んでいた作曲家の名前は、というと・・・
S.フォスター、S.バーバー、C.アイヴズ、A.コープランド・・・
と、まあ、かろうじて名前ぐらいは聞いたことありそうな、
超アメリカンな作曲家たちばかり。
その作曲家たちの作品が一曲づつ混ぜ混ぜに並べてあるのです。
だけど、全体で通して聞いた時に曲の緩急だとか、雰囲気、調性、
といったものの統一性がお見事!で、
まるで一曲の曲集か何かのようにまとまって聴こえたのが驚きでした。
ご自分でも説明なさっていましたが、
やはりこれだけバラバラな作曲家たちの曲を並べるのには
相当苦労なさったようです。
それにしてもハンプソン氏.
相変わらず声もお姿も、大変ノーブル!
いつだって、真摯に音楽に向き合う華麗なる紳士。。(褒めすぎ?)
それは大変結構なんです。
でもね。
今回のプログラムに限っては、いささか???な部分がありました。
というのもこのsong of america。
どうしてもジャズ、とかブルース、とかのリズムにのったような
クラシック音楽と分類していいのか迷う曲が多かったんですよね。
そういう曲を歌うにはこの方のお姿とお声は
あまりにも高貴にして優雅過ぎるような・・・。
この方もピアニストの方も、
一音一音丁寧に、隅から隅まで完璧にコントロールして、
ものすごく繊細に、ものすごく美しく、演奏なさる訳で、
それは決して悪いことではないはずなのに、
何か、ヘン?な印象を受けてしまう訳です。
もうちょっと雑な感じが欲しい・・・と思ってしまうのは
間違いなく曲のせいなんですけど。
おまけにjazzyな雰囲気を体全体で表現するには、
この方のノリはいささか・・・・(^^ゞ
ピアニストに向かって指揮でもしているかのように、
握ったこぶしをブンブンふってるんだけど。。
アメリカ人ですよ。ヤンキーですよ。
もっと腰をひねって、セクシーに動いて欲しいのに
そのノリ方は、ナンデスカ・・・?
それじゃまるで、よっぱらいおじさんのドジョウすくいじゃないですか。
例えばこれがジノ・キリコ(GINO QUILICO)だったら、
例えばこれがサー・トーマス・アレンだったら・・・。
もしくはグッと砕けて、ディック・ヴァン・ダイク(Dick Van Dyke)みたいな
悪声なのにミュージカルが恐ろしく上手い俳優さん、とかだったら・・・
多分もっと様になってたんじゃないかと思われます。
アイヴズのサーカス・バンド(だったんと思うけど)という曲で
最後に女の子にフラレちゃったらしい歌とか、
アンコールで歌って下さった、なんだかよく分からないけど(^^ゞ
いろんな動物の鳴きまねをする歌とか、
(どちらもすごい要約ですみません・・・)
そういうキャラクター・ピースはお見事!なんですけどね。
特に豚の鳴きまねは、うま過ぎでした。笑
(続く)