記事の更新が遅くなってしまいました。
すみません。

ぐずぐずしている間に、季節はいきなり転換し、
この週末は、あのベルリンの寒空


肌が痛いほどの強い紫外線にいささか閉口しております。

さて。
前回の記事に記述するのをすっかり忘れていた

重要人物をご紹介しましょう。
そう、今回のプログラム、カウフマンが歌ったブラームスのみならず、
シューベルトもシェーンベルクもちゃんと全部、
歌がついていたんですよ。
メゾ・ソプラノの
Christianne Stotijn(名字読めません・・

オランダの方みたいですね。
バイオリンで音楽学校をちゃんと卒業したくせに、
歌も歌ってみたらばそっちの方が成功しちゃったもんね

という経歴の方です。
2008年にピアニストの内田光子さんと共演していたのだとか。
ほっそりした身体つきにグリーンのベルベットの衣装が
大変よくお似合い

品のある立ち姿


音楽的にもよく練れておられる

んですけどね。
声量、無さ過ぎ


オーケストラのトゥッティになると、全然聴こえない

彼女が口を大きく開いてないと歌っていることさえ、ワカラナイ


って結構すごいですよねえ。

電車に乗っている時

パコッ


という経験、みなさんおありだと思いますが、
彼女の歌っている部分が、この「トンネル耳」状態になったように
感じてしまったんです。

もったいないですね。
多分、もっと小さなホールで、
本来の伴奏形であるピアノと一緒に演奏していたら
十分感動的に聴こえたでしょうに。

なぜ彼女が抜擢されたのかは分かりますよ。
つまりシェーンベルクがメゾ・ソプラノのための曲だったからなんです。
だけど。
プログラム後半のブラームスを歌うために、
ヨーナス・カウフマンは「そこ」にいたんだし、
シューベルトの歌曲なんてヨーナスの御得意

どうせだったらシューベルトもヨーナスで聴きたかったな。

グレートヒェンはともかく、「魔王」だの「夜と夢」だのなんて、
きっと上手かったろうな〜〜。。


と思うとちょっと残念でした。

それにしても、ベルリン・フィルの本拠地、
フィルハーモニー・ホールに
私は今回初めて足を踏み入れましたが、


円錐を逆さにしたような峡谷の谷底部分に舞台があり、
その周りを花弁のように座席が取り巻いています。
通常の、舞台に向かって客席がまっすぐ並んでいる箱型ホール、と違って
客席の側からすると、舞台との一体感

を感じられますし、
勝手な想像ですが、舞台の側からすると開放感

を感じるのではないでしょうか。
今回私は舞台真正面の響きも一番良い席


あの客席配置だったらどの角度から聴いても
素晴らしい響き


あの広さなのに残響にも何の違和感も感じませんでした。

チューリッヒのトーンハレにベルリン・フィルが客演で来た時、
ホール自体が、あのベルリン・フィルの
比類のない重厚な響きを処理しきれない

オーケストラの響き、あるいは音楽、の規模の大きさが
ホールの許容量を超えていて


という印象を受けました。
要するにホール狭過ぎる

ところがこのフィルハーモニーホールだと、
オーケストラとホールががっちり四つに組んで

完全に対等にキャッチボールが出来ている

ホールがこれだけ深く大きい

当然、演奏する側もホールの大きさに対抗できるだけの
大きな音楽

こんなホールを本拠地にしていたら、そりゃあオーケストラの演奏レベルも
上がって

トーンハレオケが安っぽい響きなのは、ホールのせいもあるのかも?
と思ってしまいました。

(続く)

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