と、友人の一人が嘆いていたことがあります。
幸か不幸か、そのような繊細さを持ち合わせていない私は、
今まで「昼寝をし過ぎた」以外の理由で、
夜眠れないことはなかったのですが。
先日、8月25日は満月だったようですね。
夕刻、暮れなずむ街角。
黒々とした木の影からは
アダムス・ファミリーが似合いそうな、
禍々しいオレンジ色の月が覗いておりました。
そして月明かりに突然、
乱暴に傘を開くようなバタバタという音ともに
足元から飛び立つ小さな黒い影・・・。
・・・の正体はセミでしたが。
その毒々しい光景を見て、思わず血が騒いでしまったのか、
類が呼んだ友の変な影響を受けたせいなのか、
よく分かりませんが、
私はその晩、全然眠れませんでした。
仕方無く、暇つぶしに我が家にあった
懐かしの「VHSビデオ」を鑑賞いたしました。
大昔(20年前ぐらい)に録画したので
テープが伸びきっているのでしょうか、
画像が大分ぼやけていました。
早いとこ、DVDに入れ替えておかないと
ワードプロセッサーで印刷した感熱紙上の文字のように
自然に薄くなって消えてしまうかもしれません。
で。
何を見たかと申しますと、
レニングラード国立バレエ団による
「白鳥の湖」です。
主演はガリーナ・メゼンツェワ、
王子役がコンスタンチン・ザクリンスキー。
どちらもキーロフ(現マイリンスキー)・バレエの
スターだったみたいです。(←よく分かっていない。)
この映像は、私の中の
「ザ・ベスト・オブ・白鳥」なのでございます。
もともと手足の長〜い人なのでしょうけど、
肘だの膝だのに関節やら骨やらがあるとは
とても思えないしなやかな動き。
何と典雅で、何とたおやかで、
何と愛らしく、何と軽やかなのでしょうか。
人間業とは思えません。
本当に、文字通り、
白鳥が水面に浮かんだり、飛んだり
しているように見えるんです。
これ↓
しかもこの方は素晴らしい踊り手、と言うだけでなく、
素晴らしい女優でもあるんですよね。
オデット姫とオディール姫という
正反対の性格を持つ姫君たちの踊り分け、というのは
私に言わせると笑けた結果になることの方が多いのですが、
長くなりましたので、また次回に。。
それにしても、この映像。
チューリッヒ・バレエ団に見せてやりたい。
(2009年10月「スワンな涙」)
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