もちろん演出もなし

歌手の方達の衣装も通常のコンサート衣装でした。
男性陣は歌手も



全員おんなじ(ような)タキシード

舞台の上はまっ黒け



おかげで誰が誰やらさっぱり


実のところ、サンティ以外で誰だか見分けがついたのは
カーテンコールに現れた、
ネズミ色(?)のスーツに普通のネクタイ姿の
合唱の指揮者の方だけでした。

王冠もマントも杖もない

小学生みたいなでっかい名札

付けといてくれればいいのに。。

ただし女性陣はそれぞれの役柄をイメージした
と思われるドレスをお召しになっていて、
すぐ、見分けがつきました。

例えば、最後の最後まで嫉妬

ジェラシー女王アムネリス

なんとも分かりやすい。。


それに対してアイーダというのは、
本当はお姫様


という設定なので本物のオペラの時、
ずっと「こ汚い恰好

「珍しい主役

奴隷にふさわしい色合い・・・
でもちゃんと、演奏会用の「ドレス」
という何とも難しい難題をこなしていたのは
アドリアーナ・マルフィージ。
渋〜〜〜いゴールドと玉虫色の中間のような色の
タイトなドレスでした。
ドレスの選択が上手い

(注:「趣味がいい」というのとはちょっと違う


と思ったのは2幕まで。
お召し変え後の3、4幕で着ていたのは
紺色のセーラー服風。。
なんでそこでそうなるかな〜。。


ま、それはともかく。
声は柔らかくて伸びのある



はじめのうちこそ、いささかフラつき

第2幕で、ラダメスをめぐって、アムネリスと嫉妬しあう
恋のサヤあて二重唱はいささか迫力に欠けました

休憩の後は声もドラマティック


特に第3幕。
父親から逢引き中に軍機密を聞き出すよう迫られ
ラダメスへの愛と祖国への愛で揺れる女心

繊細な表現力は特筆もの

このマルフィージ嬢。
なんと指揮者サンティのお嬢さんなのだそうですね

コメントを寄せて下さった方から教えて頂きました。

どうりでサンティのおっさんと息もピッタリ

仲良しのラブラブ〜


しかし。
たとえそんなこと↑を知らなかったとしても、
プログラム

「スイス生まれ」だの「チューリッヒ音楽院」だのと一緒に
上の方にちゃんと
「イタリアのソプラノ」という記述があったのですが。。
休憩時間に私の後ろに座っていたカップルが
不思議な会話をしていました。。
「この主役のアイーダの人、チューリッヒの出身なんだって」
「チューリッヒって何語しゃべるの?」
「イタリア語じゃない?」
「あ、そっか、だからこの人イタリア語がうまいんだ〜」
・・・ち、ち、ちがう。。


わざわざ訂正するのもオコガマシイ

みなさん、プログラム



アイーダ以外で注目すべきは女司祭長役の
大隅智佳子嬢。
芸大首席卒業、さらに博士を取った優秀な方

看板倒れでガッカリさせられることの方が多いため
巷の評判というものを大概、信じていない私ですが、
この方は素晴らしかった

あんなに出の少ない役なのに、一番印象


(ちなみにドレスも一番趣味が良くて、そちらも印象的。
どこで買ったのか教えて欲しい・・・

解説の
「独特の美しい声質とダイナミックな歌唱」
「その持前の強靭な歌声で、確かな存在感を示してくれる」
という記述に嘘はありませんでした。

2008年の二期会公演「エフゲニー・オネーギン」で
タチアナ役をやったそうですが、(相手役:与那城敬)
聴いてみたかった

芸大生らしく技術も完璧ですし、
N響との相性もよさそうでしたから、
これから共演の機会が増えていくのではないでしょうか。
日本人離れしたその強靭な声と表現力で
キッチリ真面目なオーケストラを引っ張っていって

頂きたいものです。

(続く)

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【関連する記事】
コンサート・オペラでうまいイタリア語、下手なイタリア語、面白いですね。
私のイタリア語の先生によると、イタリア人でもオペラのイタリア語はスラスラ聴き取れるものではなさそうです。リブレトをちょっと暗記して話しかけたら笑ってました。たぶん何を言いたいのか分かっても、日常、そんなオペラ語を話す人はあまりいないようです。
ヴァーディ、プッチーニのオペラDVDにイタリア語の字幕が付いていても不思議ではなさそうです。(聴覚障害者のためかもしれませんが。)
しかし小汚い格好を表現する、ゴールドと玉虫色のドレス、ですかぁぁ。色々考えたんでしょうねぇぇ。
「芸大生らしく」のところ、深くうなずきました。芸大出身のひとは本当に技術があって安定感があります。いちかばちか的な臭いがするひとってお目にかかりませんもの。。。
N響のお堅いコンサート形式オペラ。
ワーグナーは何度か体験してまして、さすがに堪能できますが、イタリアオペラのコンサート形式は、いかにサンティさまとはいえ、N響では、ちょっとキツイですよね。
去年はボエームやってましたし・・・、でも放送で音だけ聴く分には全然問題なし。
ライブだと、楽員のN響先生様たちが、えもんかけをしたまま演奏してるみたいですもんね・・
そう、大隅さんは、わたしファンなんですよ。
ご指摘の、オネーギンでの与那城さんとのコンビは最高でございました。
以来、できるだけ、彼女のオペラを観るようにはしてるんですが、市民オペラのようなものまで含めると、相当の舞台を踏んでらっしゃいますので、追いかけきれません・・・・。
12月の「シラノ・ド・ベルジュラック」と2月の「サロメ」!は行く予定です。
サロメ、いかがですか?期待大ですよ!
オペラで覚えた言葉は今のイタリア人にとって、
変な言葉になるらしい、というのは私も
聴いたことがあります。
日本人にとっては、「歌舞伎で覚えた言葉」で
話しかけられるようなものなのでしょうかね?
ちょっと試してみたい気も・・・。笑
歌の人ってドレス、大変ですよね〜。
そりゃピアノも弾く時邪魔にならないように、
とか、色々ありますけど、
基本的に「困ったら黒でいいや」と
思っていられるから気楽かも。笑
「えもんかけ」とは至言ですね!!(^○^)
ところで、サロメは二期会でしょうか?
ちょっと、興味津津かも。調べてみます。
ありがとうございます〜〜!