四の五のと書いておりました。
私は
音楽を「どう知っているか」ではなく
「その場の」音楽を「どう感じたか」で
拍手なりブラボーなりをすべきだ、
そうすれば結果としてフライングもなくなるだろうに、
という趣旨のつもりでおりましたが
寄せて頂いたコメントを読んでいるうちに
自分の言語能力に自信が無くなってまいりました。
世間一般にオペラ(を含めたクラシック音楽全般に)なんて
絢爛豪華、お金持ちの見本、
高級ブランドバッグみたいなステイタスの象徴
のように勘違いされがちですが、
本来、「田舎芝居」に端を欲した歌舞伎と同じような
「大衆文化」、
すなわち
「誰もが楽しめるもの」だったわけです。
従って聴くときに
「こうであらねばならぬ」
という規則もありませんし、
まして、聴き慣れた常連や玄人だけの
独占物であっていいはずがありません。
それでもなお、
堅苦しくて、小難しくて・・・
という「誤解」が横行するのは
「いわゆる」クラシック「上級者」による
「クラシック初心者」なるものを
「じろ〜」と見て
「恥ずかしい思い」を「させる」、
その「雰囲気」のなせる業ではないでしょうか。
楽器を習ったり、スポーツをしたりするのではないのですから
聴衆に「初心者」だの「上級」だのという
カテゴリーが、そもそもありません。
クラシックを「聴きなれた人」と「あまり聴いたことがない人」
がいるだけです。
こういった排他的選民意識は、
クラシック音楽に限らず、芸術文化の発展を
むしろ邪魔しているのではないでしょうか。
(ちょっとオーバー・・・?)
では私が言っている「問題」ってナニサ?
ということですね。
「規則なんてない」のだったら
いつ、どういうタイミングで
拍手しても、ブラボーを言っても
いいじゃないかっ
って?
それは、そう、その通りです。
でもね。
以前私は、田舎で、普段畑仕事しかしていなくて
クラシック音楽会なんか行った事も無い、ような
おじさん、おばさんの前で演奏会をしたことがあります。
おじさんたちは当然、曲がどこで終わるのかも
どこで拍手をするのか、どころか、
そもそも、拍手をすべきなのかどうかだって
よく知らなかったわけです。
でも彼らは、一生懸命「聴いて」くれました。
一生懸命聴いて、
この曲は良かったゾ、と「判断して」
拍手をくれました。
当然のように、楽章の途中でも拍手が来ましたが
全然不愉快ではありませんでした。
どころか、むしろ嬉しかったぐらいでした。
フェルマータや偽終止が多く、
終わりかどうかが判断しにくい曲もあったのに
誰も間違って曲の途中で拍手したりしませんでした。
ちゃんと聴いていてくれたんですね。
ことほど左様に、です。
ちゃんと聴いてさえいれば、
どんな「クラシック初心者」だって
「余韻」まで感じられるものですし、
ちゃんと聴いてくれていることが分かりさえすれば
見当外れのところで拍手がきても
女性なのに「ブラ『ボー』」と言われても
演奏者は嬉しく、有難く思うものです。
そもそも音楽なんて、
どう聴いたって、どう感じたって、どう反応したって
いいんですよ。
そうでしょ?
拍手だって、面白くなかったらしなくていいんです。
お義理の拍手をするぐらいなら、
ブーイングをする方が、はっきり自分の意見を表明するだけ
親切、というものです。
(そ、そうか?)
良いと思ったら、そのとき初めて拍手をすればいいんです。
でもだからって、
拍手のタイミングを見計らう必要だって無いし、
難しがる必要だってありません。
あの田舎のおじさん、おばさん、みたいに
ちゃんと聴いてさえいれば分かることなんですから。
もう一度申し上げます。
私が言いたかったのは(多分岩城さんも同じだと思うけど)
ちゃんと聴きましょうよ、そしたら分かるから、
っていうことだけです。
だって、要するに、そういうこと、ですもの。
でしょ?
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最近の日記も
「んだんだ!」とうなづきながら読んでました!
ブラボー言いたくて仕方ない人っているんですよね
でも
ほんとに音楽楽しんでるとは思えませんよね
最近聞いたボエーム
素人さんが多かったのか
拍手のタイミングがわからなかったようすで
「私の名はミミ」
「あなたの愛の呼び声に」に拍手がなく
なんとあの拍手を起こしやすい
ムゼッタのワルツでも拍手が起きませんでした
でも、コッリーネの外套のアリアのあとに盛大な拍手が起きたんです
確かに歌手のレベルが段ちでした
素人でも、これはすばらしい!と思ったら自然と拍手が起こるもの
お愛想ではないほんとの拍手は気持ちいいです
「ブラボー」ですが、「ブラボー」と呼ばれて頬っぺたをひっぱたく女性もいれば、何を言いたいのか分かってくれる女性もいます。相手次第です。もの分かりのある人が多ければいいんですが。
>音楽を「どう知っているか」ではなく
「その場の」音楽を「どう感じたか」で拍手なりブラボーなりをすべきだ
まったく同感です。しかしその結果
>そうすれば結果としてフライングもなくなるだろうに
とはならないと思います。なぜなら例えばその「アイーダ」で叫んだ方は、もしかすると感極まって思わず声になったのかもしれないからです。カラルドさんがお書きになっている通り、「ちゃんと」の基準にはそれぞれ差があります。
それと日本の観客がと言うのもどうでしょう。先週末日本で放映されたウィーン歌劇場ホーレンダー総裁「お別れガラコンサート」でさえ、ある歌手が途中に間奏曲が入ったアリアを歌ったとき、間奏に入った時点で大きな拍手が湧きました。ここでアリアは終わらないので間奏後また歌い、最終的に歌い終わった時点でさらに大きな拍手があったわけですが、ジロリと見る目があったかどうかはテレビ画面では分かりません。ウィーンでさえ「フライング」はあるのです。
>そもそも音楽なんて、どう聴いたって、どう感じたって、どう反応したっていいんですよ。
とか「排他的選民意識」は良くない(私も同感です)と言うのであれば、もう少し他の観客の反応に寛容であってもいいのでは?
余談ですが、チューリッヒ歌劇場のオペラはDVDやテレビ放映しか知りませんが、私も大好きです。ウィーンからの帰路3月末の「ノルマ」に行こうかと思ってますが、あそこはよそよりチケットが高めですよね。
少し間が空きましたが、拝見したらわたしにとってホットな話題で盛り上がってますね。
本日、プレヴィン・N響で、正確にはフライングではないのですが、即座の蛮声が発せられました。
ホール側も注意のアナウンスをしたのに、ですよ。
その方々が、心から感動してことを為したのであれば、誰もとどめようがありません。
でも、感動の受容・表明の仕方がそれぞれなのですから、静かにジワジワ味わっていた人には堪りません。
こんな風に思っていたら、自宅でCDを聴くしかなくなりますね・・・・。
一方で、先だっては、完璧なエンディングを味わうこともできましたし。
もーーーっ、わかりません、あたくし。
素人さんの方正直に反応するので、ある意味コワイですが、お愛想拍手よりはずっと気持がいいですよね。笑
おっしゃる通り、「ちゃんと」の基準が問題です。
が、こればっかりはどうしようもない、というのが現状でしょうね。
ところで、ブラボー言われてひっぱたく女性って・・・
そんな失礼なのが、本当にいるんですか・・・?
そんなのはひっぱたき返していいんじゃないでしょうか。。。
そこまで変なのは、世の中、さすがに少ないと思います。
>もしかすると感極まって思わず声になったのかもしれないからです。
単なる私の偏見かもしれませんが「感極まった」ようには聞こえなかった、から、腹立たしく思ったのですけど、本人ではありませんから実際のところは分かりません。
>それと日本の観客がと言うのもどうでしょう。
お言葉を返すようですが、私は日本の観客がおかしい、というつもりで書いたのではありません。
日本の観客について書かれた記述を引用しただけです。
スイスでもブラボー屋に困ったことはありましたし(2009年9月「スイス人の身内好き」)、間奏中にブラボーが飛んでいるMETのDVDも持ってます。
>もう少し他の観客の反応に寛容であってもいいのでは?
というご意見が一般的なのであれば、あちこちのホールで演奏前に「余韻を楽しむお客様のために・・・」というアナウンスをするとは思えませんが。
ところで、チューリッヒのチケット、高いですか?
ウィーンの最高席が192ユーロ(約21900円)、
バイエルンが164.5ユーロ(約19000円)、
パリが180ユーロ(約20600円)、
チューリッヒ320フラン(約27000円)・・・
あ、ほんとだ、高いですね。
いつも学生券だったので知りませんでした。(^_^;)
ほんとにホットでしたね。笑
これはもう、しょうがないんでしょうね。
今度からブラボー言われちゃったら、
他のメンバーは素晴らしかったのに、音痴なラッパが一人変な音を出しやがった!
とでも思う事にします。。
ってそれでも腹が立ちますけどね。笑
どうしたらようのやら、あたくしにも、わかりません。