
METライブビューイングです。
以前にチューリッヒで、オペラの映像

映画館

オペラハウスより映画館の方が入りなれていない私は
微妙にオロオロ

というのも、チケット係

どこまで正確なタイトルを言うべきか迷ったからなんです。
単純にエルナーニでいいのか、それとも正式名称を全部言うべきか・・・。
迷った挙句、結局全部言ってみました。すなわち
「メトロポリタンオペラのライブビューイングの
エルナーニのチケットください」
・・・・・長いってば。。



観てきたのはヴェルディ作曲「エルナーニ」。
チューリヒで故S.リチートラ氏

観た事がありましたが、
(2009年9月7日「どんぐりコロコロとハンプソン万歳」
http://opera-zurich.seesaa.net/category/7386058-5.html)
そういえばこの時も、
主役がさえない


歌手の出来云々


横恋慕してくる国王ドン・カルロ


見せ場


おまけに話が・・・何回見ても、荒唐無稽


(2009年9月8日「設定からして変である」)
と思ったら Wikipedia に傑作

『エルナーニ』はドラマ的にはまったく非現実的なオペラである。
スペインからフランスの地を横断しはるばるアーヘンまで
発見もされずに移動する反乱者一味、
前触れもなく突如変心し慈悲を垂れるカルロ、
自分の結婚の祝宴で角笛が鳴ったからといって自害するエルナーニ、
年甲斐もない嫉妬に狂う老人シルヴァ。
これらに少しでも現実味を与えようと、現代の演出家はいずれも苦労している。
口さがないオペラ愛好者は『エルナーニ』を
ヴェルディの「三大荒唐無稽オペラ」の一つと揶揄したりもする。
あ、やっぱり


みんな感じる事は同じなんですね。

それにしても、これだけ糞味噌

名作オペラ


ヴェルディの音楽の力


さてさて。
映画特有の長〜い広告


J.ディドナードなる女性による簡単な解説、
そしてようやく指揮者マルコ・アルミリアートが登場しました。
幕が開くと、山賊達のねぐら。
山賊のボス、エルナーニを歌うのはマルチェッロ・ジョルダーニ。
彫りの深い顔立ち、というよりもどちらかというと
眼が落ちくぼんでいる、という印象。
なまっ白い顔色と短い首、
ずんぐりとした体型に焦げ茶色の衣装も相まって、
全体的にフクロウのはく製を思わせます。
透明で伸びのある、とてもきれいな声質で、
高音に達する時、下から圧力をかけて押して、
うねり上げている(という印象)ような歌い方が
J.カレーラスの歌い方にちょっと似ている気がします。
この「うねり上げ」、上手くハマると
母性本能を刺激するような、切々とした歌い回し

聞こえると思うのですが、
私は「うねり」がちょっと気になってしまいました。

ま、でも、幕が開いてすぐ、ポンと、
難しそうなアリアを歌うのは大変ですよねぇ。
幕間のインタビューでジョルダーニ自身も
「テノールパートをこんなに難しく書くなんて、
ヴェルディはテノールが嫌いだったに違いないっ

と言っていましたが。

そう、この映画

「マエストロ、プリーズ

場面転換作業


見せてくれるのですね。
第一幕第一場が終わった途端、映像は
舞台のカーテン裏に移動して、山賊シーンから、
第二場のシルヴァの館への場面転換が始まりました。
岩山の塊を重ねて脇へ引っ込め、後ろからソファに座ったヒロインと
シルヴァ家の豪壮な(?)壁がせり出してきて・・・
ゴットン、ガッタン


静かに待っている客席に聴こえる

案の定、大道具係と思われるガスなる人物が、
「静かにっ


あ、やっぱり。

そしてその間、舞台中央まで運ばれてきたヒロインは
幕があくまで歩き回ったり、前屈運動したり・・・。
こういう裏方の作業って、実に興味深くはあるのだけど、
音楽を聴き


いささか世話しない印象を受けました。
といいつつ、面白がって一生懸命観てたんですけどね。


(続く)

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