ツェルビネッタはそもそも、主役アリアドネそっちのけで、
存在感たっぷりの超巨大超絶技巧アリア
「Grossmachtige Prinzessinn偉大なる女王様」を歌う
ド派手な役ではありますが。
彼女のジルダやらオランピアやらを聴いている限り
それほど期待出来ないよな〜と思い込んでいたせいでしょうか、
正直、
え?この人こんなにすごかったっけ???
と思ったほど、大爆発の活躍ぶりでした。
それにしても、こんなトンデモナイ難曲、
でもR.シュトラウスお得意の、蕩けそうに甘美な旋律、
作曲する方もする方だけど、歌う方も歌う方ですよねぇ。
そもそもメロディーが覚えられない。
音程が複雑で輪郭が全然ハッキリしないので、
素人の私には口ずさむことさえできません。
もし仮に、私がモシュクさん家の隣家の住人だったとして、
彼女がこれを練習しているのを壁越しに聞いたとしても、
間違いなく、モシュクさんが発狂した、
と思うに違いありません。
これだけ、好き勝手に(いや、記譜通りなんだろうけど)
歌えたら、人生、随分、楽しいでしょうね〜・・・。
歌い終わった時、観客のブラボーの嵐もすごかったけど、
舞台上で聴きいっている設定の
ホフマンスタール(ミヒャエル・ロチョフ)が
満面の笑みで拍手していたのは、
きっと芝居ではなかったに違いない。
以前チューリッヒで観た時の大変そうに歌っていた方とは
全然違って
(チャイナなジャイ子が恋の手ほどきをば・・・
http://opera-zurich.seesaa.net/article/143288475.html)
余裕を持って楽々歌っているのがさすがでした。
何度も繰り返すようですが、このオペラでは
ツェルビネッタの印象が強烈になるのは
致し方ないのですが、
モシュクさんの大活躍により、
アリアドネの印象は、ほぼ、無く、
NHKがしきりに宣伝していたバッカス役、
ヨーナス・カウフマンも、ハッキリ言って
全身ヒョウ柄のピッタピタ・パンツスーツが
イヤに似合っていた、という以外
正直、あまり記憶にありません。。
あっぱれ、ツェルビネッタ、
エレーナ・モシュクさん、万歳
で、ございました。
どうでもいい事ですが、今回のアリアドネ公演に登場した
バレリーナはチューリヒ歌劇場のダンサーだったそうですね。
そういや、チューリヒ歌劇場の支配人だった
アレクサンダー・ペレイラ氏が昨シーズン、
つまり2012〜13年のシーズンから、
ザルツブルグ音楽祭の支配人に変わりましたね。
もしかして、ぺレイラ氏が引っ張ってきたのでしょうか・・・?
さらに、そう言えば、
チューリッヒ歌劇場の出演歌手が、今まで常連だった、
ヌッチもクーラもベチャワもヨーナスも
メイもフリットーリもカサロヴァもバルトリも、出ておらず、
代わりに「かつて劇場のお偉方と喧嘩をして以来、
チューリヒに出演しなくなった」ハズのグルベローヴァが
復活(?)公演をしたりして、随分様変わりしている模様。。
支配人移動による歌手地殻変動、
まだまだ今後も注目なのかもしれません。
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