【サタデーナイトデュオ No.41】
本日はマスカーニ作曲のオペラ
「カヴァレリア・ルスティカーナ」より
「間奏曲」をお聴き頂きます。
まるで呪文のようなタイトルのオペラの、
無味乾燥もいいところなタイトルの曲ですが、
ただひたすら美しく、甘く、穏やかで
一種の祈りにも似た、素晴らしい曲なんですよ。
結婚式なんかでも演奏されたりする
人気のクラシック曲の一つですし、
せめてもうちょっと
色気のある題名つけてあげればいいのに・・・
なんて。。笑(余計なお世話です)
でもね、この曲。
この穏やかさ、美しさが「間奏」であること
にこのオペラのドラマ性が
現れているんですよねぇ(変な日本語)
カヴァレリア・ルスティカーナというのは
「田舎の騎士道」といった意味だそうです。
原作の主人公は男性のトゥリッドゥなんですが、
この物語が演劇化されたときに、
その恋人サントゥッツァが
クローズアップされました。
マスカーニのオペラはその
演劇版を基にしているため、
W主役状態になっています。
日本人からしたらタイトルのみならず、
登場人物の名前まで耳慣れず、
舌を噛みそうな気がしますが、
ま、そこは置いといて。笑
物語は初っ端から不穏な空気で始まります。
村の若者トゥリッドゥは、
自分が貧しさゆえに兵役に行っている間に
裕福なアルフィオと結婚してしまった
かつての婚約者ローラが忘れられず、
その寂しさを紛らすために
サントゥッツァという女性と恋人になりました。
ところが人妻であるにもかかわらず、
ローラの方もトゥリッドゥが
新恋人を作ったことに嫉妬しており、
トゥリッドゥを誘惑、
2人は不倫と浮気、という
W不義の逢瀬を重ねております。
・・・だめじゃん。
それに気づいたサントゥッツァ、
トゥリッドゥを訪ね、不在の彼の代わりに
彼のママにも事情を聞きますが
ママもしらばっくれております。
だめだめじゃん。
時は復活祭。
礼拝のため人々が集まる教会前。
サントゥッツァは
礼拝に参加するために現れたトゥリッドゥを
問い詰めますが、
トゥリッドゥは逆切れし、
追いすがるサントゥッツァを突き飛ばした上、
あろうことか丁度そこへ現れたローラと共に
教会へ入っていってしまいます。
ひっどい男〜。。。
逆上したサントゥッツァの前に、
タイミング悪くローラの夫アルフィオが現れます。
「あなたの妻が私の恋人を奪った!」
・・・・ま、ここまでされちゃ、
言っちゃうよね、それ・・・・
という展開で始まる教会の礼拝。
・・・の礼拝中っぽく流れるのが、
この「間奏曲」なんです。
まさにドロドロ惨劇の「小休止」なわけです。
で、間奏曲、終わりました。
礼拝が終わり、皆が教会から出てきます。
トゥリッドゥとローラが
トゥリッドゥママの居酒屋に飲みに行きます。
あれ、旦那そこにいるのに、いいのか?
案の定その居酒屋に現れる旦那アルフィオ。
あ、やっぱり。。
充満しきった不穏な空気の中、
男二人はついに決闘することに。
だよねぇ。。
ラテンの男は血の気が多い。。
ここまでの展開で酷いこと以外何もしていない
酷い男トゥリッドゥは、ここで初めてママに
酔ったふりをして別れを告げ、
もしも僕が帰らないことがあったら
サントゥッツァの面倒を見てやっておくれ、
と優し気なことを言い、家を出ていきます。
都合のいいことばっかり言う男だね。
全てを察して絶望するママ。
そしてここで折よく現れるサントゥッツァ。
そこへ村人の悲鳴が・・・
「トゥリッドゥが殺された!!!」
で、終幕、と。。
最初から最後まで
ずっと不穏な空気が流れっぱなしの悲劇の中で
唯一、ホッとできる瞬間に、
あの無味乾燥で事務的なタイトルの曲が
流れると、何とも言えず本当に
ホッとするんですよね、不思議と。
さ、そんなわけで。
皆さんも、是非お疲れの時にでも、
癒しの極みのこの曲を是非お楽しみくださいませ♪