その昔、ベルカンサのインタビュー記事を読んだことがあります。
まさにこの↑場面、セギリーディアを歌い終わったところで、
彼女はホセ役のドミンゴの首に手を回すんですよね。
ところが、拍手喝采


で、キス状態

こっそり、小声で彼女に尋ねました。
「どうしようか?」と。

おそらくドミンゴとしては、
「どうする、いったん芝居を止めて、お辞儀でもする?
それとも、次の場面に強引に移行する?」
というつもりで「どうする?」と聞いたことと思われます。
が。
カルメンを地で行くような、情熱の国スペインの女性

私ごとき、アジアの朴念仁


答えたベルカンサ曰く
「いいじゃない。このままキス


インタビューでこのエピソードを話したベルカンサに言わせると
「おかげで映画のような、濃厚なキスシーン

プラシド(ドミンゴ)とのキスシーンだったら大歓迎よ。
だって、彼、ハンサム


・・・もう、あなたには、誰もかないません、きっと。。

フランツ・ウェルザー=メスト指揮。チューリッヒ。
セリフの部分をレチタティーヴォにして歌っているので
ちょっと聴きなれない

フランス語は歌うより、話すほうが色っぽい

それにしても。
口説く


惚れたはれた



この映像から、一体誰がそんな言葉達を
連想できるのでしょうか・・・




どう見たって、せいぜい
SBB(スイスの国鉄)職員と掃除のおばちゃんが
井戸端会議をしているようにしか見えないんですけど。



カルメンの中でも最もエロティックな場面を
ここまで、殺伐(?)とさせるって・・・
しかも世界中でも最も潤っている劇場の一つのくせに
このお金のかからない演出・・・
やっぱり、チューリッヒって、ある意味、スゴイぞ・・・


そりゃね、上のチューリッヒの映像と違って
この映像はどう見ても女が男を誘惑しているように見えますとも。
でも、なんで、そう足を使う・・?

(おまけに、スカートめくって、露わになった、そのフクラハギの
盛り上がる、たくましきヒラメ筋はなんですよっ?!)
なぜ、そこまで卑猥な動き



人間的魅力で精神的にホセを魅了できないから、
身体で釣ろうとしている・・・
ように、やっぱり私の目


ユーイングのフランス語が実に美しい

恐ろしい引力を持った魔性の女。
恐ろしいけど小悪魔的可愛らしさから、
もう目が離せないホセ・・・。
スカートをめくって太ももを見せたりしなくても
裸足の足先をちょっと持ち上げるだけで、十二分に色っぽい

デンと座ったまま、彼女自身は全然動かないのに、
動いたとしても一直線に別の椅子に移動しただけなのに、
まとわりつく魅力と引力から、身動きが取れないホセ。。
やっぱり凄いですよ、この人のカルメンは、本当に

どうでもいいですが、このホセ君。
ちょっとエルビス・プレスリーに似ているようで
笑ってしまったのは私だけでしょうか?


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