オーケストラの団員一人一人が、まるでソリストのように、
自由に、生き生きと、全身で音楽を表現する。
何だか本当に、演奏する事が楽しくてしょうがない、
と全員が思っている様に見えました。
本当に自由なんですよね、身体の動かし方が。
よく見ると弦楽器のボーイングのアップダウン(弓の上下)は
みんな揃えてあるようなのですが、
斜めに引いたり、前のめりになったり、ほとんど横向きになったり、
全員が全員、思ったまま、感じたまま、好き勝手な方向に身体を揺らすため、
遠くからの映像だと、ズレズレになっているように見えるわけで。
もちろん、いくらオーケストラでも、
直立不動で演奏する人はいないでしょうけど、
なんか、自由で、いいな〜、って。。。
時々カメラマンさんが団員さんをアップで映してくれると、
今度は、いかにもドイツ人〜という顔つきの人が多いな〜(当り前)
というのが気になって、面白がってつい、
独断と偏見による命名をしてみておりました。
(↑ちゃんと聴いてたのか?)
コンサートマスターさんは、カールって感じ
しかも名字にはシュピッツとかシュピットラーとか、
シュの音が入ってそうよね。
チェロの金髪女性は、きっとザビーネ、
コントラバスの黒髪女性は、アンナ・マリア、かな。
どんなメロディーも(たとえ短調であっても)なんだか、
ものすごく楽しそうに吹いていたオーボエくんは、絶対トビアス
そうとしか考えられない
そしてチェロの最前列にいたちょっと若い男の子は・・・
うん、マクシミリアンだな。
・・・っていうか、あれ?
このマクシミリアン君、そういえば、
チューリッヒの音楽学校で一緒だったような・・・。
当時の彼はまだ10代の初々しい若者で、
こんなおっさん面ではなかったですし(失敬)
親しくもなかったので、全然自信が無いのですが。
でも本当に本人だとしたら、彼は間違いなく
マクシミリアンです。(だから、どうした)
出世したねぇ〜。。。
そして、彼らの大ボス(?)マリス・ヤンソンス。
この人、ちゃんとご飯食べてるんですかね?
頬骨が貼っている割に骨の下がこけ過ぎてません?
おかげでほほ笑んだ時、下顎が妙に奥にひっこんで、
張った頬骨との対比上、どう見ても骸骨にしか見えず、
いささか、怖い、です。
私はオーケストラの事はよく分からないので、
ひどくおおざっぱな感想しか言えないんですけど、
とても正統的で、真摯で、重厚かつ繊細で、
王道の演奏だったんじゃないかと思います。
でもね。
第4番だけは、カルロス・クライバーのライブ録音を
愛聴している私にとっては、いささか重かった。。
多分、ヤンソンスの方が正統派で、
クライバーの方が、ある意味、変、
なんだと思います。
でも、もうちょっとスリリングであっても良かったような気もするけど、
でも、上滑りしないで、地に足がついた魅力も捨てがたいし。。。
(↑判断できるほど、分かっていない)
第4番はシューマンが
「2人の北欧神話の巨人(3番と5番のこと)の
間にはさまれたギリシアの乙女」と例えた、
と言われています。
このお二方の演奏の違いは
どっちが良いとか悪いとかではなくて、
巨人に今にも押しつぶされそうな、
リスの様に、か細く繊細な乙女、
とみるか、
二人の無骨な男を、思うままに 蠱惑(こわく)する 、
妖艶なセイレーン
とみるか、
の違いみたいなものかな、と思いました。
どーでもいいんですけど、ベートーヴェンの交響曲って、
どれもこれも、最後のしっぽ、長いですよね。
もうちょっとで終わる・・・と見せかけてから、
ジャンジャンジャンジャンジャン、
ジャン、ジャン、ジャン、ジャン、
ジャジャーン、ジャン、ジャン、ジャン・・・・
これでもか〜というジャンジャンのてんこ盛りは、
気分的にはいやが上にも盛り上がるんですけど、
もう少しだから曲終りまで咳を我慢しよう、と思っている時には
きっと拷問のように感じられるに違いない。
関係ないですけど、シューベルトのピアノ曲、
さすらい人幻想曲も最後、終わりそうになってからが
長いですよね。
一度、演奏会でこの曲を聴いてる途中から、
お手洗いに行きたくなったことがありまして、
いつまでもいつまでもいつまでも終わりを見せないこの曲に
理不尽な腹を立てた事がありました。
(途中でパンパン拍手し始めてやろうかと本気で考えた。。。)
とにかく、2時間、楽しかったです。
っていうか、もっと聴きたかったな。
この時バイエルン放送交響楽団は
ベートーヴェン全曲演奏会をやっていたんですよね。
私の大好きな、ミヒャエル・フォッレ氏
(マイスタージンガーのベックメッサー、他
http://opera-zurich.seesaa.net/category/7923906-1.html)
が出ていたはずの
第9もやってくれないのかな〜・・・?
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